抜型

抜型 ダイカッタで使用する抜型は完成された即用タイプを目指す(抜型を機械取りつけてから調整を必要としない)。
その為
・ 押罫押圧(押罫の高さ)調整
・ 刃物の切れムラ取りは可能なかぎりしなくても切れる
・ ムラ取り用紙は抜型製作時にマイラーを製作する
・ 使用した刃物、押罫の種類及び長さは抜型に記入する
・ スポンジ、溝ゴムを貼る
・ 割れ止め、ビビリ止めにキャタピラS、コルクを貼る
・ 刃物にニックを入れる
・ 抜型の取り付け穴を開ける
・ 位置決めガイドを取り付ける

打抜かれた製品は次工程での品質要求を満たす物である事。
次工程とは
・ フォールダーグルアー
・ ラップアランドケーサー、ABM、トレフォーマー
・ 自動ケーサー
・ 落丁(ストリピングマシーン、手落丁)
・ 手組み立て
等があり、それぞれに対応した下記条件を考慮しなければならない。
・ 表抜き、裏抜き、ダブルクリーズ
・ 罫線トルク
・ 罫線折曲げ寸法精度
・ 完全自動落丁
・ ビビリ、罫割れ、罫切れ、刃割れ
・ ニック
・ ステ刃
等々があり目的に合わせた抜型の設計が必要になる。

抜型の材料
* ベニヤ板
・ 材質
・ 積層数
・ 水分 ベニヤ板の反りが発生し、切れムラにつながる
・ 厚さ ベニヤ板の厚さの誤差がスポンジ、溝ゴム、潰しの効果に差がでる。

* 刃物
・ 高さ寸法 標準は23.6mmと23.5mmがある
・ 厚み寸法 0.7mm、0.9mm、1.0mm、1.07mm
等がある。
刃物の厚さは刃物の倒れに効果的ではあるが一方では曲げ加工がしずらく鋭角に曲げた場合に亀裂が入る欠点がある。

・ 硬度
刃物先端部 70°〜80°
胴部 40°〜60°70°
程度であり、あまり硬度が高いと曲げ加工時の刃先亀裂が入る。
カッティングプレートの硬度に比べ刃先の硬度が高いとカッティングプレート(特にステンレスプレート)にキズを付けるので、逆に硬度の低い刃物を使用する方法もある
この方法の場合、ムラ取りの手間を省きプレス圧を上げることで、刃の高い部分をステンレスプレートが調整し、ムラ取りしなくても大部分が切れると言うメリットがある。
しかし
・ 刃先が潰れひどくなると切り口に毛髪状のヒゲが発生する。
・ 刃物の高さが変わり罫圧が変化し、罫線強度の管理が難しくなる。
などの問題が有るので切り口、紙粉、罫線強度などの品質要求の高い製品に対してはあまり硬度の低い刃物は使用すべきでない。
・ 刃先形状
一段刃 二段刃(三段刃) 片刃
一般的な印刷紙器向けに使用され刃先角度は40度〜45度 特に厚く硬質材に使用する 刃の斜め合せ、R合せ、細い溝、孔等に使用する
片刃
*センターのズレ分寸法の修正が必要。
*小さなR曲げでも刃先の亀裂が発生しづらく、小さなR部分の切れ改善に有効。
*片刃は打抜き時に一方向に力が働くので、この現象を利用して細い長穴などの刃の接合部が開かない様に利用するとよい。
矢印の方向に力が働く、細い長穴などの刃の接合部が開き、ニックが大きくなり落丁が出来ない時に利用するとよい。

半切刃
ミシン刃
波刃
*抜いた製品の切り口で手を切ることがない。(PL法)
リード罫
ジッパー刃
パイプ刃
* 押罫
・ 押罫の巾寸法
巾 0.45mm〜3.6mmがあり、打抜く素材の厚さと表抜き、裏抜きで使い分ける。
・ 押罫高さ
高さ 22.0mm〜23.1mmがあり、打抜き素材の潰した厚さで使い分ける。
抜型製作時の押罫高さ選定は非常に重要である。
押罫高さ=刃物の高さ−段ボールシートの潰した状態の厚み
C220g*SCP125g*C220gの段ボールシートを潰した状態で厚さを0.8mm程度と考えてよい。
!刃物は毛髪状の紙屑が発生する状態まで使用すると、刃先が摩耗し0.3mm程度低くなる。その状態で段ボールシートの含水分が6%程度以下になると罫切れが発生しやすくなる。

・ 裏抜きの押罫巾寸法
裏抜きの押罫巾寸法は段ボールシートのフルートの厚みで決まる。
裏抜きの押罫巾寸法は罫線トルク、罫線折曲げ位置寸法精度に大きく影響するので特に慎重に選定する必要がある。

・ 表抜きの押罫巾寸法
表抜きの場合は溝切り巾寸法=押罫巾寸法となる。
押罫の形状
R罫 角罫 V罫 合せ罫
押罫の硬度
・ 一般的に30°〜40°程度

裏抜きの場合は押罫巾は段ボールシートのフルート、材質と折曲げ角度で決まる。
M/Fは0.9mm角
E/Fは1.4mm角
B/Fは2.0mm角
A/Fは3.0mm角・V
を基本に折り角度で決まる。
表抜きの場合は溝切り巾寸法=押罫巾寸法となる。
板紙は0.7・0.9・1.4mmR
M/Fは0.7mmR
E/Fは0.9mmか1.4mmR
の押罫巾を使用を使用する

以上を考慮して、経験的な使用標準は下記の通り

  表抜き  90度折曲 1.4R罫
表抜き 180度折曲 1.4R罫
裏抜き  90度折曲 1.4角罫
A/F・B/F 裏抜き  90度折曲 2.0角罫
裏抜き 180度折曲 3.0角・U罫
裏抜き 180度折曲 3. 0V罫
逆罫 1.4R罫
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裏抜き  90度折曲 3.0角罫
W/F 裏抜き 180度折曲 4.0合罫
逆罫 1.4R罫
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表抜き  90度折曲 1.4R罫
表抜き 180度折曲 0.9・1.4R罫
E/F 裏抜き  90度折曲 1.4角罫
裏抜き 180度折曲 2.0角・V罫
逆罫 1.4R罫
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表抜き  90度折曲 0.7R罫
M/F 表抜き 180度折曲 0.7R罫
裏抜き  90度折曲 0.9角罫
裏抜き 180度折曲 0.9角罫

レーザーカット
全体図面寸法に対して前後左右余裕を見てベニヤ板を切断する。
切断面が直角になるように留意する。
位置決め金具の取り付け部やチェスビス穴も穿孔する。(各種位置決め)

溝の巾
レザービームは以下のような条件で機械調整以外にも溝の巾が変化することがあるので充分な管理が必要である。
・ ベニヤ板の材質
ベニヤ板のプライス、厚み変化
ベニヤ板の水分
ベニヤ板の温度
ベニヤ板の反り
なお且つ、切断溝部に炭が発生する為、刃物や押罫の抜け落ちにつながるのであらかじめリューターで清掃する事もよい。
刃物・押罫に切り欠きや穴を設けてバリを出し、抜け落ちを防止する方法もある。

品質のチェック
*下記の点に注意する。
・ 基本的に函(製品)になるか、必ず組み立てる。
・ 使用時に問題となる個所(抜型の寿命等)がないかチェックする。
・ グルアー・自動ケーサー等で問題となる個所がないかチェックする。

ストリピングの設計
ストリピングの設計は下記の点に注意する。
・捨刃位置の設定
・手作業落丁か自動落丁か
・屑落丁、搬送装置の機構と能力
・前後2丁付きの場合の引き屑部の位置と大きさ、形
・グリッパーマージン部とストリッピング部の区分位置設定
・クロスバー位置設定
・光電管の位置確保
・雄雌型のプラス・マイナスのひかえ

刃物の切断
1. 刃物の継ぎ位置に注意する。
短いストレートの刃物部分は出来るだけ避ける。
2.刃切りの際 刃先が曲がらない様にする。
刃先に曲がり・スキマがあると切れ不良(ニック)となり、抜型から段ボールシートが離れ遅れたり、ストリッピングトラブルになったりする。
また紙屑が詰まり刃物の倒れや抜型のベニヤ基板が潰れる等の原因になる。
 紙屑が詰まるのは抜型製作時の不良が主な原因である。

3.刃物の曲げ
刃物の曲げ加工は必ず水平が出ている事を確認して作業をする。
小さな曲げ加工する際には刃先に亀裂が入る。
刃物を曲げ加工した場合には刃物下部に突起が発生し、刃先が外に逃げる。
下部の突起に対しては右図のような対策をとれるが、刃先に対する対策はとれない。
その事が切れムラにつながる
対策
右図のように曲げ部分の内側を削り取り、溝を入れて直角、小さな曲げを行ない小函抜き用の抜型に利用する場合もある

4.刃入れの問題点
木槌で無造作に刃物・押罫を打ち込むと、刃物の場合は刃先の変形がおこり切れ不良の原因になったり、押罫の場合は表面に小さな凹凸が出来るため罫切れの原因になる。
叩き込時に注意
×

5.溝切り寸法と刃物、押罫寸法の誤差を無くさなければならない。
左図の場合
右図の処理
×
×

6.溝巾に対して寸法の合わない刃物を無理に入れない。
無理に入れると溝が直角でも刃物が倒れ、切れムラの原因になる。

7.ステ刃など小さい刃物の入れ方
ステ刃など小さな刃物、押罫は抜け落ちる事故が多いので先端部をコの字形の曲げ処理をする。

8.抜型設計の問題点
抜型のダイメイク
(ダイメイクのぺージ参照
ニック入れ
ビビリ止め
罫割れ止め

平盤ダイカッターの場合、スポンジや溝ゴムの不良は機械止転など影響が大きいので良質のものを使用する。
!スポンジは紐結びにし、数日放置して復元力を比較する。
!溝ゴムは圧縮されたとき横にふくらみ刃物を広げる事が有るのでイボゴムや凸帯型ゴムを使用か刃物の内寸より1mm以上狭い物を使用する。

*スポンジの貼り付け位置
@ 刃物から2mm程度離してベニヤ基板に貼る。
!刃物の倒れを防止する為。
!ニックが千切れることを防止する為。

A 抜型に貼るスポンジが押罫に近いときは溝切テープがスポンジに押され、転写位置がズレることが有るのでスポンジは小さい物を貼ること。

*キャタピラS
・押罫・刃物の近傍に貼り罫割れ防止
 裏ライナーの割れ防止にはキャタピラSを推奨する。
・裏抜き時の表ライナーのビビリ防止
・ニックの効きを強くする。

* コルク
打抜いたときに段を潰す必要のある場合に使用する。
・ サイドグルー函の糊代部
・ 裏抜き時の表紙のビビリ防止
・ ニックの効きを強くする
!斜めコルクは裏ライナーの割れ防止にはならない。

グルアーサイド貼り函の設計
(グルアーのぺージ参照
表抜・裏抜
フルート・段ボールシートの構成
接合精度/ハイパーテープ使用の有無

ボトムロック函の設計
(グルアーのページ参照)
表抜・裏抜
フルート・段ボールシートの構成
糊代の下部設計は45度「切り落とし」か「突き合わせか」?
底フラップの45度折れ罫線の角度調整をする必要はないか?
底フラップの45度のハイパーテープ使用の有無

9.ストリッピング型の設計
ストリッピング型を設計する場合には基本的には完全落丁が出来るように割付し、それが出来ない時は最低限の引き屑部分を設ける。

割付図面に屑の落とし部分と引き屑部分を区分け設定する
注意する事は
1.シート全体の引きバランスがとれる引き屑部分か?
2.引き屑部分に運転に必要なニックを入れられるか?
3.ユーザーの打抜機の排紙機構はバッチ式か棒積上げ式か?
  *バッチ式の場合は特に完全落丁型を目指す。
4.落丁引き屑部分に引っ掛かりや卍形の形状部分がないか?
  *打抜き後の手作業による落丁(タタキ)を容易にする。
5.細長い孔の屑部分の方向は引き方向か?
6.細長い孔の屑部分のニックは、ストリッピングは可能か?
7.打抜機のストリッピングはダブルアクション使用可能か?
8.落丁型の保管スペースを考慮し、
インホールド式落丁型の投入可能か?
ハイパーテープからグルアーヘ ダイメイクからグルアーへ インホールド式落丁型へ